さて、今回マーケットで結構沢山の人と食べ物の話が出来て、とっても楽しかったのです。
しかし、場所柄か、いわゆるFoodies(とにかく食通。自称食通の人もアリ)と呼ばれる方々が多かった事。
でも、その人たちにも買ってもらえた和菓子はえらい!と、思った。
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その一。
日本でも最近有名なBill'sのシェフのアンディが、ビーガンカフェを毎週土曜日に開いているのだけど、彼とじっくり話が出来た。
まず、彼が私に話しかけてくれたのだが、黄な粉で出来たお菓子の味見を勧めた時に、
「うわっ、黄な粉はダメだよ! 大豆は毒があって、沢山のプロセスしないといけない食品だから、人に食べないように言っているのに!」
と、言う。
毒? いわゆる生の豆を食べて、腎臓や肝臓を悪くすることかい?
「疑うのなら、"エダマメ"と"毒素"ってググって見て。」
エダマメなんて、湯がいて食べるだけで健康食品やん。
わかったよ、ぐぐってみるよ、と、その時流す。
日本人、エダマメも大豆も食べてるのに、体に良いといわれても害があるなんて、一度も聞いた事が無い。
・・・・・・・・・・・そして、家に帰ってググってみた。
女性ホルモンの代わりになるというイソフラボンとか、いろいろあるんだけど、
ホウ素というものも沢山含まれている。ホウ素というのは、寒天にも沢山含まれている。
で、何事もほどほどに、という事なんですよね。
イソフラボンはある一定の量を超えるといろいろと害があるらしく、ホウ素も沢山取りすぎると甲状腺から分泌されるホルモンに影響が出るらしい。
現に、お客さんの中には「甲状腺に障害があるから、大豆製品は食べられないの」と、言っていた。
豆乳に関しては、4歳の女の子に牛乳が飲めない変わりに豆乳を飲ませていたら、胸が膨らんできたという実例もあるらしい。あと、乳がんや子宮関連の症例がある人には大豆製品は避けた方がいいとも。
いろいろ研究結果がありすぎて私も曖昧なんだけど、大豆は発酵させることによって、いわゆる毒素が分解され、且つ蛋白質も吸収しやすいものに変化される。だから、日本の醤油も味噌も納豆も、納得が出来るのである。エダマメも繊維の多い食べ物なので、豆自体に含まれる毒素よりも、繊維と一緒に大概に排出される毒素の方が多いらしい。
で、何が問題かというと、量。
こっちの人が大豆を食品に使うとき、乳製品がダメだから、豆乳を毎日500mlぐらい飲んだり、小麦が使えないから、黄な粉を変わりに使って、パンを毎日200gぐらい食べるとか、日本人の普段の大豆の消費量から考えると、かなり多い量を毎日、そう、毎日消費する事になる。
それじゃ、いろいろと問題が出てくるのも頷ける。昔からの日本人の食生活、やっぱりすごいんだなぁと、思ったのでした。
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その二。
いろんなお客さんの中でも一番のFoodieっぷりを見せてくれたお兄さん二人がいた。
私の和菓子を一つ一つ指をさしながら、
「これ、火が通ってる?」と、言うので、私が、
「もちろん、豆で出来ているから・・・豆はちゃんと火を通さないと、体に悪いでしょ。」
の、会話の繰り返し。そこで、いちいちがっくりする彼。
そこで、私はピンと来た。
このお兄ちゃん、ビーガンで、ローフード主義者だ・・・
ビーガン=菜食主義者の中でも、一番厳しくて、乳製品も卵もハチミツもダメ。
ローフード主義者=自然のものは自然のままで食べるのがいい、というのが根底にあり、熱処理したものは食べません。牛乳の殺菌処理も熱処理なので、普通の牛乳は飲まないという徹底ぶり。
だから、何食べてんねん?
と、言うのが私の疑問。
でも、やっぱり、食べたかったのか、自分の食事の制限をおしても、いちご大福を買っていってくれました。いえぃ!
そこで、食べ物に詳しいアンディにいちご大福を持って、おしゃべりに行く。
「さっき、お客さんでビーガンでローフード主義の人が来たんだけど…ビーガンは日本でも仏教の坊さんがビーガンだから理解できるけど、ローフード主義の人たちって、何食べてるの?」
と。
アンディは笑いながら…
「ははは。僕もローフード主義ってのはよくわからんよ。
って、僕は体にいいどころか、かなり負担になるダイエットだと思うんだけどね。
とにかく、野菜と果物の火を通していないものしか食べない。でも、野菜や果物って、火を通さない状態では結構体に悪いものもあったりするし。
例えば、赤カブのビートルートも生じゃ、体に悪い。彼らが蛋白質を摂取するのに大切なナッツ、例えばアーモンドは生のままじゃ毒素を沢山含んでいる。
で、とにかく硬かったり消化しにくかったりするから、ブレンダーでどろどろにして食べたりするんだけど、そんなことをしたら新鮮な野菜で取れる栄養素も何も台無しになっちゃうから、何をしているんだか…ってことになる。」
と、かなり正直なお答え。この答えで一気に彼が好きになった。いろいろ勉強している人だ。
とにかく、例のお兄ちゃん二人には、日本人もかなりいろいろなモノを生で食べるけど、特にこの季節は新鮮さを保つのが難しいから、頑張ってね、とエールを送っておきました。
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世の中には、本当にいろいろな食べ物に対する考えを持つ人がいるもんだなぁ、と、考えさせられた一日でした。
あ、ところで、ブライトンの市役員の中で、ビーガンの人がいるって、新聞の記事を読んだ。彼がFarmer's Marketの世話をしているらしい。もちろん、マーケットの中には肉屋さんもチーズ屋さんもいるわけで…差別をされるんじゃないかの懸念の記事。
やっぱ、ブライトンは面白い。
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