2013年6月9日日曜日

ペルシャ国の旅行の勧め~その6~

バス・ステーションに降り立つと、ものすごい重たい空気。かなりの空気の悪さ。スモッグ覚悟で滞在したテヘランはさほどでなく、年末年始の期間ゆえの人口密度、車密度の低下で、空気の悪さから逃れてきたけど、どうもここでやられたらしい。

そして、ショックなことが発覚。

エスファハンの人達の憩いの場所とも言えるザヤンデルードの川の水が完全に干上がってしまっていた! 

ああ、失態。写真を撮り忘れてる。とりあえず、インターネットで同時期に撮られた写真を見つけたので、拝借します。えーっと、メールで前もって了承を得ようとしたのですが、メールアドレスが見つかりませんでした。なので、ここにリンクを貼っておきますので、写真の持ち主の方、連絡お待ちしています。汗

事情を聞くと、ここ3年ほどほとんど雨が降っておらず、エスファハンの水源であるチャデゴンダム(前回のいらん滞在記参照)の水がそこをつきそうだった。で、年末に偵察にきた大統領のアフマディーネジャード氏は、
「街の景観よりも、近くで発達しつつある工業に水を使わせるべき」
と、毎年一応は新年の畑作が始まる頃に下流の農家達に水を供給することも兼ねて、数週間川へダムの水を放水していたものまでが完全に閉じられてしまった。 

すると、川の底に堆積していたいろんな物質が乾いたホコリとなり、空気中に舞い上がる。で、空気もただでさえ乾いているもんだから、鼻の粘膜が傷つき、そこにばい菌が入り込んだ模様。その上、気圧の変化で炎症を起こした鼻腔が詰まり、頭がガンガしてきた。 

そこに住む人はあまり気にしていないようだが、敏感に反応してしまう私の鼻腔。生まれも育ちも海のそば、今だって海から歩いて20分足らずの海岸沿いに住んでいるもんだから、常に海抜0m付近で暮らしていることになる。それが海抜1600mのイスファハン、気圧が低い。しかも、空気は比べ物にならないぐらい乾燥しているのだから、私の呼吸器系統が悲鳴をあげたのだ。それほど息自体は苦しいと思わなかったのだが、眩暈がして、ぼーっとした頭はずっと半分寝た状態。もしかして…と、ググるとやっぱり高山病の症状。 

だいたい個人差はれど、2000m以上で出る高山病なのに…ま、1500mでもかかる人はいるらしいけど。で、対処法は…「安静にする。よくならなければ、下山する。」 
げ、下山の仕様がないのですが…汗。 

2日間横にならせてもらったけど、よくならず、鼻から血の混ざった膿が出てきたので(きたなくてごめん)、お抱え医師の義父に抗生物質を処方してもらう。とりあえず、鼻腔の中の炎症をどうにかせねば… 

とりあえず、頭痛を抱えたまま子供の面倒を見たり、会食はしなくちゃならないわけで…食っちゃ寝、外出は車で送り迎えと言うとんでもないおデブな生活が続いた。ダイエットには自炊の大切さが痛いほどわかりました。 

さて、新しい物好きの義兄夫婦がエスファハンで今回連れて行ってくれた場所は、その名も

*ハイパースター*

今までイランになかったスーパーショッピングモールをドバイの富豪とイランの富豪が半々に出資して、ドバイにあるような屋内一体型のレジャーエリアを作り始めたのだ。 
今はまだスーパーマーケットの部分しか運営されていなかったけれど、イランの人たちにとって、全く新しい買い物の形なのです。 

いわゆる日本の昭和の時代に大型小売業者が街のハズレにでっかいスーパーを建てて、車できたお客さんはパン一斤から、パジャマや洗濯洗剤にフラットテレビまで一つのキャッシャーで支払うことができる店が始まったのと同じ。 

私もここの買い物はリラックスできた。だって、街の小売業者では私は自由に買い物をさせてくれないのです。値段のきちんと書かれていないものだと、私が店にいくと外国人=金持ちということで、余計に値段をふっかけられる場合があるのです。だから、店の中に入ると、私はだんまりだったり、旦那に買いにいかせて、私は他人のふりとか。皆が皆というわけではないけれど、そういう人もたまにいるので、気が抜けない。 

だから、お客を分け隔てなくサービスできるこんなスーパーなら、大歓迎である。ただし、ここでまた、日本の昭和時代に似たいい部分が消えてなくなってしまいそうで、悲しくなるのです。店員と一言もしゃべらずに買い物をするって、やっぱりさみしい。 

そして、もう一箇所、義兄夫婦が連れて行ってくれたのは、アルメニア人が古くっから住んでいるジョルファと呼ばれる地域。ここは少ない異教徒(キリスト教徒)が許可された場所。 

ここは西洋からの文化も続いているので、結構親しみ深いものも売っている。で、義兄の奥さんがあるケーキ屋さんに連れて行ってくれた。はっきり言って、イランのデコレーションケーキはすごいです。って、お茶の発達した国のお茶受けというのは、かなり高度です。 

イランの伝統的なお菓子から、西洋風のケーキ、などなど。以前フランスに支配されていたので、洋菓子は主にフランス系の洋菓子が多い。ただし、空気が乾いている関係、パイ菓子が中心で砂糖とローズウォーターを煮詰めた蜜やクリームがしっかり塗られている。スポンジケーキを皿に載せてそのままにしておくと、30分ほどでカラカラになってしまうから。 

 

 



そこのお菓子屋さんで食べたのが、ジョルファでイースターに食べられる卵とミルクがたくさん入ったその名もミルクパン。手のひらサイズの平たい長方形で、日本のミルクパンよりかなり密度が高く、硬い。でも、素朴で美味しい。そして、ローズウォーターのきいたカップケーキに、カスタードではなく、フレッシュクリームの入ったシュー菓子。砂糖をまぶしたコッペパンの間に挟まったポンジキというお菓子は、ローズウォーターの入ったちょっと固めのわらび餅という感じ。それで、イランの人は和菓子にあまり抵抗がないのか、と納得。餡子をピスタチオやアーモンドなどの甘いナッツのペーストに置き換えて、こういうものに包めば、食感としてほぼ大福だわ。 

ミルクパン半ダース、シュークリーム10個、ポンジキ半ダース、を購入。こうしていねのイラン食べ物紀行で贅肉を順調に蓄えるのでした。 

これも、取材・・・お仕事、お仕事♪

つづく。 

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