2013年5月26日日曜日

ペルシャの国の旅行の勧め〜その3〜


テヘラン二日目。叔母さんのお家へ。

さて、ここで、ちょっと豆知識。


日本語で叔母と伯母があるように、イラン語にも「ザナム」というのと、「ホラ」というのがあり、ザナムは父の姉妹、ホラは母の姉妹。で、叔父と伯父も、「アムー」(父方)と「ダイ」(母方)とがある。

〔日本の伯母&伯父と叔母&叔父は両親の姉か兄、または両親の妹か弟での使い分けだけど。〕

文法的に、結構日本語とペルシャ語は似ている部分があり、結構覚えやすかったりする。が、言葉の発音がしやすいかどうかは別問題だけど。

文章の構成が、大抵、主語+目的語+動詞+修飾語となるのである。しかも、会話の中ではよく主語が省かれていたりするから、余計似ていると感じるのかも。

例文をいうと…
(マン) ケバブ ホルダン
マン=私/ ケバブ=ケバブ /食べた=ホルダン

で、私はケバブを食べた。です。ね、語順が一緒でしょ?しかも、主語の「マン」はあってもなくても意味が通じちゃうのです。ホルダンの動詞がすでに「私」を表す修飾語尾を伴っているから。〔椎さん、あってる?〕だから、語彙さえ増やせば、何とか理解できるし、細かい文法を無視しつつも発言できたりするのです。

反対に難しいと思う発音に関して言うと、「kh」や「gh」の音がダメ。ヨーロッパでも有るのどの奥から痰を吐くような〔ごめん、汚くて〕、音で発音します。私は「は」や「が」で発音しちゃうんだけど、たまに全く違う意味になって大笑いされる事も。

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義母の妹で、テヘランでチョイと名の知れた私立女子高の校長先生で、英語の先生だったりするから、言語では全く不自由しない。しかも、彼女の一人娘は現在アメリカの大学で留学中なので、ずっと彼女とはやり取りをしているし、彼女の家も何度も来ているので、私もリラックスできる。

そこで、まず何をさせてもらったって・・・インターネットを使わせてもらいました。はい。ここまでインターネット依存症ではないと思うのですが・・・翌日の大切な予定の最終確認をすべく。ま、結局は義兄に携帯を借りて、直接電話をして解決したのだけど。電話はやっぱり苦手やわー。



《ご飯の前にイラン語のテレビを見る子供達。わかっているのかいないのか、結構真剣に見ている。この後、キャプテン翼がペルシャ語の吹き替えで放映されて、私も頼りない理解力のペルシャ語で真剣に観てしまいました。w日本のアニメやドラマ、沢山輸入されてます。》

はい、待ってましたのお昼です。
そこでは、卵ととうもろこしのポタージュを前菜に、サフランとイランのスパイスとニンニクで煮たチキンにバガリポロ〔空豆とディルの緑色のご飯〕にゴルメサブジ〔イランのスパイスと数種類のハーブで肉とインゲン豆を煮たもの〕に白いご飯、サラダオリビエ〔ロシア風ポテトサラダ〕とサブジクク〔ハーブがふんだんに入ったオムレツなんだけど、ほぼハーブなので、色は緑。ヨーグルトと一緒に食べる。〕を出された。

なるべく食べないようにしたのだけど、やっぱりおいしいから、気づくとおなか一杯。食休みをしてから、近所の公園に遊びに行くことに。なぜかというと、その叔母さん、いつも残飯を持ってその公園に住む猫ちゃん達に餌をあげに行くのだ。

どうも、最近捨て猫が多くて、公園には沢山猫が住んでいるらしい。叔母さんが鶏肉をほぐしたものなどを花壇の隅に置いた。猫好きの娘はいろんな猫があっちこっちから集ってくるのが楽しくて、ずっとニコニコ見ていた。イギリスや日本から考えると、保健所は何をしているんだ?と思うけど、日本も一昔前、私が幼い頃は結構野良猫や野良犬が沢山いた。そんな感じなのかもしれない。

そして、子供達は滑り台やブランコで遊び始め、私達は公園内のジムで運動することに。数年前から、あちこちの公園に現れ始めた簡易ジム。ぶら下がり健康機のようなものもあれば、ウェイトリフティングのようなものもある。ずらりと20台位、さまざまな部位に効きそうな物たち。ただし、全て金属製なので、持ち手も座席もごつごつで使い心地がいいとは決していえない。吹きっ晒しなのだから、やわな材質では長持ちしないけど、これが結構人々の間に浸透してきている。

一つ一つ使い方なども書いてあり、結構親切。で、ポスターが貼ってあり、女性は木曜朝7時より、男性は金曜朝7時より、有志によりトレーニングあり。集れ!とかなんとか書いているそうな。心臓病、糖尿病患者の多い国なので、いい傾向ではないかと。なんといっても、無料だからね。

そして、公園の近くからタクシーを拾い、テヘランのマンションへ。そのときにすでに義兄は頼んでいた外付けのハードドライブを私のリクエストしたとおりに購入してくれて待っていてくれました。代金はいつものようにイランの通貨よりユーロやポンドでといわれているので、イギリスの彼名義の銀行口座へ振り込む。ポンドではさほどの値段ではないけれど、イランの通貨にすると、すごい値段である。

これが世界では扱われなくなった通貨なのかぁ・・・と、実感。しかも、ものすごいインフレーションである。三年前に来た時は、あまりの値段の安さにポンドでいちいち考えなかった。だから、どれぐらい通貨の値打ちのギャップがあるのかあまり気にしていなかった。

今回は、約5000トマンが一ポンドと教えてくれ、計算が楽に。で、イギリスで西洋キュウリ〔太さ4cm長さ30cmぐらいのものね。〕が80ペンスとすると、80ペンスで普通のイランで売っている小ぶりのキュウリだと2~3キロ買えるらしい。それでも、この2年ほどで、物価は約4倍に跳ね上がったらしい。特に、海外からの輸入品は品数が増えたけれど、普通には買えないぐらい高価なものになっている。デパートで見た輸入物のスーツケースは桁が数えられないぐらい、大きな値札でした。

救いとしては、イランのファーストフードの代表、お持ち帰りのケバブはあまり値段が上がっていないらしいのだけど。でも、ここまで食費が跳ね上がると、かなり辛い事がしのばれる。

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で、余談


息子がおつりにもらった500トマンのお札が珍しくて、イギリスに持って帰って来て一番仲のいい友人に、お土産と一緒に渡した。で、慌てたのが友人のお母さん。翌日、私に恐縮して返そうとした。「いや、これはイギリスの通貨では10ペンスぐらいなので、銀行に行っても、手数料の方が高く取られるよ。」と、笑ってしまった。

空港では、2500トマンの買い物をして、5000トマン札で支払いをすると、2000トマン札とチョコレートバーでおつりをくれる。500トマンを海外に持っていっても、どこも換金してくれる場所がないことを知っているから。納得のサービスである。


つづく

2 件のコメント:

  1. 記事の初めのイラン語の話、興味深いです。ロシア語通訳だった米原万里さんのエッセイで似たような話を読んだのを思い出しました。「いとこ(だったかな?)」に当たる単語が、男か女か、父方か母方か、年上か年下か、などで細かく分かれている言語があって、同時通訳中に困ることがある・・・とかなんとか(うろ覚えですが)。私も英語を習い始めた時に、兄も弟もbrother、姉も妹もsisterというのが何だかしっくり来ませんでした(笑)。

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    1. その国の言語というのは、本当にその国の文化と歴史が凄く反映されていて、興味があります。日本語では季節の言葉が沢山ある。その代わり、英語には自分の感情を表現する言葉が沢山有る。
      何が生活の中で大切なのかも、言葉でわかる。日本語もイラン語も歳が上の人を敬う。だから、それにちなんだ言葉が沢山あったりする。その代わり、年上の兄弟も呼び捨てにするイギリスの文化では、誰が年上なのかはさほど問題ではないのだから。
      言語って、深いですね。

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