2023年11月20日月曜日

まだ11月ですが、年末です。


 もう11月半ばを過ぎて、めっきり冬っぽくなりましたね。

ブライトンは相変わらずの雨と豪風で外に出るのが億劫になります。

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最近起きた日本での事故。思うところがたくさんありすぎて、ちょっとこちらに書かせてもらいます。

11月初めの東京デザフェスで出店されたマフィン屋さんのマフィンが痛んでで食中毒がでたという話。

いや、私も一歩間違えれば同じ過ちをしてたのかなぁと少し怖くなった。

まず、痛いとたたかれているオルガニックと無添加へのこだわり。

あん庵も、こだわってますよ。
オルガニックの豆とできるだけ手に入るオルガニックの材料。そして、家庭の手作りなんだし、日本でしか手に入らないから、と保存料や保湿剤になるトレハロースも使ってなかったりするから、日持ちもしません。

何が違ったのか。

人工甘味料は使いたくなかったし、ご褒美にはやっぱりちゃんとしたお砂糖を使いたかったので、黒糖や無漂白のおさとうを中心にがっつり量も減らさず使っています。

そして、やっぱりプロの知識って大事だなぁと感じました。

私は学生の頃、実家の近所の小さな和菓子屋さんでアルバイトをさせてもらいました。小さいといえど、あんはすべて大きな圧力なべで毎日炊いて、お店に置いてある和菓子はすべて職人さんたちの手作りでした。そして、お店の奥には大きなウォークインの冷凍庫がありました。雇ってもらっていたのは、お店番としてだったのですが、お客さんがいないときには表でできる小さな仕事などを手伝わせてもらえました。仕上げや包装など。

小さな和菓子屋さんですが、大福や団子の生菓子も8種類、焼き菓子や羊羹などの竿菓子も6種類はあり、上生菓子や贈答用の最中やどら焼き栗饅頭などを合わせると、常時20種類ぐらいのお菓子が店頭に並んでいました。そんな種類を作るのですから、一日に5~6種類の和菓子を作り、あるものはそのまま冷凍、またあるものはセロファンなどで包装してから冷凍、またあるものは作成途中で冷凍され売る直前に蒸されるものなど、それぞれ和菓子に合った保存の仕方をされていました。

4畳半ぐらいある真四角の冷凍庫の中には、山のように箱が積まれ、店に補充しなくてはならない和菓子を探し出し、店頭や蒸し器の方に持っていきます。その時に、どの和菓子がどのように保存されているのかを学びました。もちろん、季節で変わる上生菓子を見るのも楽しかったのですが、保存方法の違いなどを考えるのも興味がわきました。

今、大きなイベントなどで私一人が全部の和菓子を作成しているのに、1000個以上の和菓子が作れるのは、これが理由です。大きな冷凍庫3台と冷蔵庫2台がパンパンになります。

彼女の場合、空いた時間に好きなケーキを焼いて売り始めたら、思いのほか売れた!というのがきっかけかもしれません。私もそうでした。少しづつ作って売れる自分の店内ならそれで大丈夫。

でも、趣味で作る量のお菓子の延長の気持ちで大量生産しちゃダメなんだよ、好きという気持ちだけで不特定多数の人に食べてもらうのは危険なんだよ。再認識しました。

いつか職人さんの下について、しっかり修業を積みたいきもちがより強くなったこのニュースでした。

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今年もおせちを作ります。お申し込みはカフェの電話にテキストで「お節注文」+お名前+個数+連絡先を明記の上、よろしくお願いします。お値段は据え置き£30です。