2016年9月11日日曜日

「どゆこと?」日本のTV取材の後日談

「TVの制作会社からは、DVDに入れておくります。」

と言われましたが、待てるわけないじゃないですか。
Youtubeで上がっているのを、違法だと思いながら、見てしまいました。すみません。

「どゆこと?」

とは、マジで見た後の私の感想です。

短くなったのは許せる。ほとんどウェールズの人のしていることと被っていたし(ないものは全て手作りなあたりと、日本的な雰囲気を作るためのDIY。規模的には、もちろんあん庵の方が小さいので、金のかかっているほうを見せるのもわかる。)、私が提案したイギリスのいいものも、友人の提案として紹介されたのもいいとしよう。

が、私の見せたかった、ブライトンの良さ、ブライトンの自由さ、ブライトンのヒッピーさ、そして、そんなブライトンであるが故の常連客に愛されている姿が、まったく残っていない。

何もあん庵のことを知らない人がこの番組最後の20分を見たら、おいしい和菓子も作れずやり方を間違えて3年間まったくうだつの上がらない和菓子屋が、今回番組が救いの手を差し伸べたゆえに、イギリス人にも食べてもらえる和菓子が作れるようになったハッピーストーリー。で終わっている。

それはあかんやろう!と、W氏及びT氏に連絡。あまりにもおざなりな編集に関西方面のナイター中継でまだ放映されていないのは、助かった。関西方面ではあん庵のパートを切って、放映してくれるな、と頼んだ。それはできないの一点張り。

では、あふたぬーんてぃーセッションで、お客さんたちが私の和菓子を楽しんでいるところを一瞬でもいいから、静止画像でもいいから、入れてくれと頼んだ。やっぱり、映像と音声は変えられない。テロップなら変更できるが、とのこと。

少なくとも、あふたぬーんてぃーセッションで話している場面をこれから和菓子をデザインするという会話ではなく、おいしかったなぁという、食べた新作和菓子の感想のテロップに変えてほしい、というと、吹き替えの声は変えられないので、吹き替えの声と書いてあるテロップが一致しないのはおかしくなる。と、また却下。

じゃぁ、完全に切ってください。嘘もやらせもしないという条件で受けた取材だったので、その条件を満たさなかったということで、取材はなかったことにしてくださいと、話をしました。

すると、W氏とT氏の上司にあたるプロデューサーの女性の方が電話をかけてくださり、できることはしますとのことで、店の開業年数、売れる和菓子の個数、祭りとだけしか表示のなかった部分に「イギリス最大のゲイのフェスティバル、ブライトン・プライド」と、書いてください。あと、間違えているシナの年齢と、あんねり機をこしあん機もしくは製餡機に変更を頼みました。最後に、「38個も売れました!」と、言っているところ、テロップで「新作38個を含む200個以上の和菓子が売れました!」というテロップを入れてもらおうと思ったけれど、すでにクレジットタイトルが下に流れていたので、あきらめることに。

ゲイや同性愛という言葉は、あまり表に出せないので、ブライトン・プライドということだけにしてもいいですか?と、言われる。「あん庵も、ゲイの人たちをターゲットにした和菓子を作ったと思われたら、いやでしょう?」と言われる。

ゲイのお祭りで、ゲイの人ををターゲットにした和菓子を作って何が悪いねん?ひな祭りでかわいい女の子狙いの和菓子を作るのと、同じやん!とカチンときたが、もう、あきらめた。「もういいです。私のブログで、とりあえず、真実を書くので、それで私自身私のお客様たちに説明をします。」と、電話を切った。

先程、関西地方の放送が終わったようですが、テロップは訂正されていたそうです。この誠意は認めることにしようと思います。

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とにかく、今回番組を見ていて、あん庵を知っているみなさんに言われるのが、

「すごいねー、よかったよー。和菓子おいしそうだった!でも、なんで、あんなんやったん?いつものあん庵と全然違うやん。」

である。

「ああ、やっぱり、このお仕事をやっててよかった。わかってくれるお客さんに恵まれてよかった。」と思うのです。

皆様、こんな結果になってしまいましたが、本当にご協力ありがとうございました!
もっと、がんばっておいしい和菓子を作るよう、勉強します!
大澤さん、これからもよろしくです。ぺこり。



3 件のコメント:

  1. 突然すみません、先日偶然TVを拝見し、応援したくなってこちらにたどり着きました、東京からの者です。(因みに若い頃カナダで過ごした、日本人の40代Gay Maleです。)

    番組自体は素晴らしいもので、アン庵さんが頑張っていらっしゃる様子がひしひしと伝わり、とても印象に残りました。ただ同時に、番組の意図と編成上色々あったんだなと感じました。関東版では「ブライトン最大の祭り」とだけ伝えていましたが、プライドパレードだったのですね。そうじゃないかと思ったのですが。。。ゲイの人に向けたお菓子となったらいやでしょ?というのにはショックを受けてしまいましたが、そこがまだまだ「ザ・人権後進国」の日本ですよね。少しずつは進化してるのですが、偏見や無知、無理解など、英国とはやはり大きな違いを感じます。

    『ブライトンの良さ、ブライトンの自由さ、ブライトンのヒッピーさ、そして、そんなブライトンであるが故の常連客に愛されている姿が、まったく残っていない。』

    本当に同感です。日本の番組編成だと、「白人に受けるための和菓子・そのためのゼロからの頑張り」みたいなステレオタイプがまだまだあるので、そこをTV編成上強調されたかったんだろうとは思いますが(視聴率のために少し面白おかしく)、やはりどこか違うなと感じます。

    とはいえ、頑張っているご様子はとても伝わりました。

    東京から、陰ながら応援しています。ブライトンにお邪魔した際には必ずお伺いさせていただきます。ぜひ頑張ってくださいね。そしてお身体にはくれぐれもご自愛を。引き続きのご活躍と、いつまでにお幸せに。

    突然のメッセージ失礼いたしました。ありがとうございました。

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    1. ありがとうございます。本当に暖かいお言葉、涙が出そうです。

      この取材を受けた一番の理由は、ブライトンという場所を日本の人に知ってほしかったからです。この番組は、日本人妻の視点で見た住んでいる場所の紹介ですよね。なので、私は自分の視点から大好きなブライトンという場所をそのまま伝えたかった。それがそもそも取材を受ける決心をした理由です。

      私のカフェはかなりブライトンの外れで、ブライトン中心からのお客様に遠くてごめんねーというぐらい。なので、ご足労をおかけするかもしれませんが、ブライトンに来た際には、ぜひお出で下さい!

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    2. あ、日本語がおかしい…。「ブライトンに来られた際は、ぜひお寄りください!」ですね。すみません。

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